はじめに
レギュレーター回路の出力遅延時間(=出力電圧が規定電圧範囲内に収まるまでの時間)を評価する場合があります。
CloudTesting™ ServiceのDGTを用いてレギュレーター出力を高精度に測定する事により、高精度に出力遅延時間を測定することができます。
本書では、CloudTesting™ Serviceを利用してレギュレーター出力の出力遅延時間を測定する方法を解説します。
題材
以下の図中のtDelayを測定します。
必要なIP
測定対象から出力される電圧を、パターン・プログラムに同期して測定するアルゴリズムIPです。測定値毎にリミット値を設定し、良否判定します。
測定項目を指定し、その測定項目で使用している変数の値を変化させる事により、指定した測定項目のPass/Fail変化点を検索します。Pass/Fail変化点に対してリミット値を設定し、良否判定します。
測定手順
1. 変数を宣言する
Generic Search IPで変化させる変数を宣言します。
設定具体例
以下の例では変数“tDelay”を宣言しています。
2. Analog Output Verification IPで出力電圧を測定するテストアイテムを作成する
Analog Output Verification IPでは、電圧をサンプリングする箇所をパターンアドレスによって指定します。
以下の図の様にトリガ端子がHigh(アナログ出力開始)になった後のアナログ出力端子の電圧をパターンアドレス[n+1]でサンプリングします。
設定具体例
1.サンプリングするパターンアドレスを設定する
以下の図のようにAnalog Output Verification IPのCapture Conditonタブで出力電圧をサンプリングするパターンアドレスを設定します。
2.立ち上がり時間を演算式で指定する
以下の図のようにSignalタブでトリガ端子の立ち上がりタイミングを演算式で設定します。 Generic Search IPで立ち上がりタイミングを変化させる為です。
3.判定する電圧範囲を設定する
以下の図のようにMeasurement Resultタブで出力電圧の判定範囲を設定します。
3.Generic Search IPによって出力遅延時間を測定する
Generic Search IP は、測定項目を指定し、その測定項目で使用している変数の値を変化させる事により、指定した測定項目のPass/Fail変化点を検索します。
以下の図の様に出力遅延時間を測定します。
- Generic Search IPによってトリガ端子の立ち上がりエッジを前にずらしていきます。
- トリガ端子に追従して出力電圧が変化します。Analog Output Verification IPで作成したテストアイテムがFailからPassに変化したトリガ端子の立ち上がりタイミングの値を“トリガ端子がHighになってから出力電圧が所定の電圧値になるまでの時間”とします。
設定具体例
1.変化させる変数、測定項目などの条件を設定する
以下の図の様にConditionタブで変化させる変数などを設定します。
2.テストを実行する
テストを実行します。
3.測定結果の確認
データログにて測定結果を確認します。
注意事項
- “電圧を測定するテストアイテム”は、Generic Search IPが実行するので、フローでの試験実行対象から外します。