STIL/VCD importer

概要

本ツールを使用することで、大量のSTIL/VCD変換及び対応するテストアイテムの作成が簡単になります。
本ツールは以下の機能を持っています。

  • STILファイルもしくはVCDファイルをパターン・プログラムに変換します。
  • 生成されたテスト条件の各値を変数化することができます。
  • 生成されたテスト条件のタイミング制限を補正することができます。
  • ワーク・プロジェクトにパターン・プログラム毎にテストアイテムを追加します。
    • テストアイテム追加毎にピングループ定義を更新します。
    • テストアイテム追加毎に変数定義を更新します。
  • 生成したパターンをコンパイルします。
  • 本ツールで生成されるワーク・プロジェクトはMCUファームウェア用です。
  • 本ツールで生成されるワーク・プロジェクトはスタンダード・モードで生成されます。

エキスパート・モード向けの方法は“エキスパート・モードで作成した既存のワーク・プロジェクトに本ツールを適用する方法”を参照してください。

免責事項

本ドキュメントは、お客様が弊社サービス利用時に用いるソフトウェアを作成する際の参考として、弊社がお客様へ無償で提供するものです。お客様におかれましては、本ドキュメント中の、及び添付されたサンプルプログラムをコピー、改変してソフトウェアを作成していただくことができますが、サンプルプログラムおよび完成したソフトウェアの機能ならびにそれらの不具合やそれらに起因する損害等については、弊社は一切の責任を負いかねますのでご承知おきください。 本ドキュメント及び添付されたサンプルプログラムの受領時点において、上記条件に同意いただいたもとのさせていただきます。

使用条件

本ツールを使用する際、以下のライセンス、ツールが必要です。

ダウンロード

こちらからダウンロードしてください。

実行方法

本ツールは、Windowsのコマンドプロンプトで実行します。

% atpg2cts.pl -stil samp.stil -file options.txt -template temp -cxproj temp.cxproj -compile

実行すると以下のようなログが表示されます。

atpg2cts.pl Version 1.00.00: start at Mon Jan 29 10:49:17 2018
execution folder: C:/sample
parameters: -stil samp.stil -file options.txt -template temp -cxproj temp.cxproj -compile
script log file: stil.log
listing file name by [-stil] option
file name: samp_1.stil
file name: samp_2.stil
2 file(s) to convert
samp_1.stil log file: samp_1.stilr.log
samp_1.stil: start conversion at Mon Jan 29 10:49:17 2018
samp_1.stil: end conversion at Mon Jan 29 10:49:25 2018
samp_2.stil log file: samp_2.stilr.log
samp_2.stil: start conversion at Mon Jan 29 10:49:25 2018
samp_2.stil: end conversion at Mon Jan 29 10:49:32 2018
CTLab_stilr: converted 2/2 file(s)

実行ダイアグラム

本ツールは以下の流れで実行されます。

STIL/VCD変換

STIL変換

  • 本ツールにおけるSTIL変換は、STILReader for CX1000によって行います。
  • STILファイル、もしくはSTILファイルが格納されているフォルダは-stilで指定します。
  • STILReader for CX1000用オプションは-fileで指定したファイルに記述して使用します。
  • 本変換によって生成されるファイルは本ツールを実行したフォルダに生成されます。

本ツールによるSTIL変換では以下のオプションが使用可能です。

オプション機能
-stil ファイル名指定したSTILファイルを変換します。
-stil フォルダ名指定したフォルダ内のSTILファイルを変換します。
-file オプションファイル名指定したオプションファイルをSTIL Readerのオプション(1)ファイルとして使用します。
-allpinname“allp_pins”ピングループにパターン名を付加します。
-grpname“allp_pins”以外のピングループにパターン名を付加します。

1:以下のSTILReader for CX1000用オプションはオプションファイル内で使用可能です。

-nm-scan-basegrp-pxrfilename-errorcheck-lf-pingrp
-wfcmap-makepinmap-grpname-pxr-pinmap-deledge-tsoptimize
-allpname-atpg-tester-tsmapfile-wfcreport-convopt-var

VCD変換

  • 本ツールにおけるVCD変換は、CATVert-VCD for CX1000によって行います。
  • VCDファイル、もしくはVCDファイルが格納されているフォルダは-vcdで指定します。
  • CDFファイル(変換条件)は-cdfで指定します。CDFファイルは、予めCATVert-VCD for CX1000で準備してください。
  • 本変換によって生成されるファイルは本ツールを実行したフォルダに生成されます。
  • 本ツールでのVCD変換では、CATVert-VCD for CX1000-fileオプションは使用できません。

本ツールによるVCD変換では以下のオプションが使用可能です。

オプション機能
-vcd ファイル名指定したVCDファイルを変換します。
-vcd フォルダ名指定したフォルダ内のVCDファイルを変換します。
-cdf ファイル名VCD変換時に使用するCDFファイルを指定します。

信号条件の変数置換

  • VIH、VIL、VOH、VOL、タイミング・セット毎のPeriodの値を変数に置換することができます。
  • 変数置換は、“-tcg.csv“から生成された”signal.csv“に対して行います。

以下のオプションを指定して変数置換を行います。

オプション機能
-ts# 変数名“#”で指定した番号のタイミング・セットのPeriod値を変数名で指定した変数に置換します。
Period値を変数に置換する場合、全てのタイミング値が以下の式に置換されます。
新Period値 = 変数名
新タイミング値 = (元タイミング値/元Period値) * 変数名
-vih 変数名VIH値を変数名で指定した変数に置換します。
指定しない場合、“3.3”が設定されます。
-vil 変数名VIL値を変数名で指定した変数に置換します。
指定しない場合、“0.0”が設定されます。
-voh 変数名VOH値を変数名で指定した変数に置換します。
指定しない場合、“2.6”が設定されます。
-vol 変数名VOL値を変数名で指定した変数に置換します。
指定しない場合、“0.6”が設定されます。

タイミング制限の補正

  • タイミング制限のチェック及び補正を行うことができます。
  • タイミング制限の補正は、チェックオプション(-timing_chk)が有効な場合にのみ有効です。
  • 本機能は、-tsオプションを使用する場合、もしくは変換元のSTILファイルのタイミング値が変数で記述されている場合は、本機能は無効です。

以下のオプションを指定してタイミング制限のチェック及び補正を行います。

オプション機能
-timing_chk RATIO/DIFFタイミング制限をチェックします。
引数:RATIOの場合、各々のタイミング値とPeriod値の比が0.875より小さいかどうかを確認します。
引数:DIFFの場合、各々のタイミング値とPeriod値の差分が1.25e-9より大きいかどうかを確認します。
RATIODIFFは同時に使用できません。
-timing_adj RATIO/DIFFタイミング制限を補正します。
引数:RATIOの場合、各々のタイミング値とPeriod値の比が0.875より大きいタイミング値をPeriod値*0.875に補正します。
引数:DIFFの場合、各々のタイミング値とPeriod値の差分が1.25e-9より小さいタイミング値をPeriod値-1.25e-9に補正します。
RATIODIFFは同時に使用できません。

ワーク・プロジェクト生成

テストアイテム追加

  • -cxprojで指定した.cxprojファイルをコピーし、コピーした.cxprojファイルのテスト・フローの一番最後にパターン毎のテストアイテムを追加します。
  • テストアイテム名はそれぞれのパターン名を使用します。
  • -templateで指定したテストアイテムをコピーし、テンプレートの信号条件及びパターン名を、パターン毎の信号条件及びパターン名に置換します。TSマッピングファイルがある場合は、TS名も置換します。

以下のオプションを指定してテストアイテム追加を行います。

オプション機能
-cxproj ファイル名テストアイテムを追加するワーク・プロジェクト内の.cxprojファイル名を指定します。
スタンダード・モードで作成した.cxprojファイルを指定してください。
-template テストアイテム名テストアイテムを追加する際にテンプレートとするテストアイテム名を指定します。
Functional Testing IPで作成したテストアイテムを指定してください。
-signal_ovwテンプレートとするテストアイテムの信号条件(Signal Condition)をパターン毎の信号条件で上書きします。
指定しない場合は、Signal Conditionの先頭にパターン毎の信号条件を挿入します。

ピングループ定義の更新

  • 生成されるピングループ定義を更新します。
  • ピングループがすでに定義されている場合、ピングループ定義を更新します。定義されていない場合、新たに追加します。
  • ピン定義は更新されません。-cxprojで指定する.cxprojファイルに予め設定しておいてください。

変数定義の更新

  • 変換元のSTILファイルで変数が定義されている場合、変数定義を更新します。
  • 変数がすでに定義されている場合、変数及び変数の値は更新しません。定義されていない場合、新たに追加します。
  • 配列変数は対応していません。

パターンコンパイル

  • -compileを指定するとパターンをコンパイルします。

以下のオプションを指定してパターンをコンパイルします。

オプション機能
-compileパターンをコンパイルします。

その他のオプション

以下のオプションを指定することができます。

オプション機能
-tcg本ツールを“信号条件の変数置換及びタイミング制限の補正”から実行します。STIL/VCD変換は行いません。
-pat本ツールを“パターンコンパイル”から実行します。STIL/VCD変換、信号条件の変数置換及びタイミング制限の補正は行いません。
-log本ツールの実行ログを保存するファイル名を指定します。
指定しない場合、atpg2cts.pl_yyyymmdd_hhMMss.log(yyyy:年,mm:月,dd:日,hh:時,MM:分,ss:秒)
というファイル名に保存されます。
-version本ツールのバーションを表示します。
-help本ツールのヘルプを表示します。

エキスパート・モードで作成した既存のワーク・プロジェクトに本ツールを適用する方法

本ツールはスタンダードモード用のツールであるため、エキスパート・モードで作成したワーク・プロジェクトに対しては使用できません。
しかし以下の手順を踏むことでエキスパート・モードで作成したワーク・プロジェクトに適用することが可能になります。

  1. スタンダード・モードにて、テンプレートとなるテストアイテム(以下A)を1つ新規作成する。
  2. -templateにAを指定し、ツールを実行する。
  3. エキスパート・モードで作成された既存のワーク・プロジェクトをCloudTesting(TM) Labで開く。
  4. Home Windowメニューの[Flow Item(F)]->[Append Flow Item From Other Work Project(A)]で(2)で生成したワーク・プロジェクトを選択し、追加したいテストアイテムを選んで追加する。

注意事項

  • 本ツールで生成されるワーク・プロジェクトはMCUファームウェア用です。
  • 本ツールで生成されるワーク・プロジェクトはスタンダード・モードで生成されます。
  • ワーク・プロジェクトのフォーマットは予告なく変更される可能性があります。
  • 本ツールは予告なく変更される可能性があります。
更新日
2018年03月14日(水)