ドライバ出力が直前サイクルの比較パターン("L","H","Z","X")によって変化するのは何故ですか?

質問

ドライバ出力が直前サイクルの比較パターン(“L”,“H”,“Z”,“X”)によって変化するのは何故ですか?

回答

パターンと信号設定には以下の5つの関係があります。

  • パターン記号(WFC)は以下のような動作をします。

    • WFC:“0”,“1”,“N”,“P”(ドライバパターン)の時、ドライバから電圧が出力され、比較を行いません。
    • WFC:“L”,“H”,“Z”,“X”(コンパレータパターン)の時、ドライバから電圧は出力されず、比較を行います。
  • ドライバの出力状態がオフからオンに変化するタイミングは、[Signal]タブの[Driver On]に指定した時刻です。
    一度オン状態になったドライバは、以降のコンパレータパターンサイクルで[Driver Off]の時刻までオン状態を継続します。

  • ドライバの出力状態がオンからオフに変化するタイミングは、[Signal]タブの[Driver Off]に指定した時刻です。
    一度オフ状態になったドライバは、以降のドライバパターンの[Driver On]の時刻までオフ状態を継続します。

  • ドライバの論理状態は、各サイクルの[Timing A]もしくは[Timing B]の時刻で変化し、その状態は次のサイ クルの[Timing A]もしくは[Timing B]の時刻まで維持されます。

  • ドライバの論理状態は、コンパレータパターン(WFC:“L”,“H”,“Z”,“X”)でも変化します。

    • WFC:“L”時、ドライバの論理状態は“0”です。
    • WFC:“H”時、ドライバの論理状態は“1”です。
    • WFC:“Z”時、ドライバの論理状態は“N”(1)です。
    • WFC:“X”時、ドライバの論理状態は“P”(1)です。

1:“N”,“P”は[Signal]タブの[Individual Timing Mode]が有効な場合にのみ個別のタイミングを指定することができます。無効の場合、“N”は“0”、“P”は“1”の設定で動作します。

例えば下記の信号設定で“Pin1”のパターンが“X”→“0”に変化する場合、

  • [Driver On]のタイミング値は“0s”(次サイクルに切り替わり次第)に設定されている。
  • “0”のサイクルの[Timing A]のタイミング値は“50nsで立ち下がる”に設定されている。

“Pin1”のドライバの論理状態は“1”([Individual Timing Mode]が無効なのでドライバの論理状態は“1”)なので、 ドライバ出力はパターンサイクルが切り替わってから“0s”([Timing A]に設定された値)後に[VIH]に設定された電圧値になります。
その後、“0”のサイクルの[Timing A]のタイミング値(50nで立ち下がる)に従って、50ns後に[VIL]に設定された電圧値になります。

本現象を回避する場合、[Driver On]のタイミングと“0”のサイクルの[Timing A]を同じ値に設定してください。

更新日
2017年04月24日(月)