株式会社エー・エス・オー

株式会社エー・エス・オー、Imager用のAnalog Front Endの評価に、CloudTesting™ Serviceを採用

ミックスドシグナルデバイスの設計・販売や、半導体の受託評価を手掛ける株式会社エー・エス・オーは、Imager用のAFE(Analog Front End)の評価に、CloudTesting™ Serviceを利用されました。 16ビットくらいのADコンバータなら、CloudTesting™ Serviceがあれば、評価から生産まで対応できる、とおっしゃる株式会社エー・エス・オーの諸島社長に、CloudTesting™ Serviceの用途、使った感想、今後の展望などを伺いました。

CloudTesting™ Serviceの用途

Cloud Testing Service(以下、CTS):株式会社エー・エス・オー様は、ADC DCリニアリティ測定IP、ADC AC特性測定IPなどのアナログ系のIPを中心にCloudTesting™ Serviceを利用されています。どのような用途でCloudTesting™ Serviceを利用されているのでしょうか。

諸島社長: ADコンバータが複数個搭載されたImager用のAFEの評価に利用しています。 電源電圧を振ってリニアリティを評価したり、恒温槽を使って温度条件を変化させて特性を評価したりしています。特性を見る際には、Waveform Viewerを使って波形を表示し、各条件での特性を評価しています。

温度特性の評価に使用した恒温槽
温度特性の評価に使用した恒温槽

CloudTesting™ Serviceを採用した経緯

CTS:どのような経緯でCloudTesting™ Serviceの採用を決めたのですか?

諸島社長:まず、知り合いからの紹介で、CloudTesting™ Serviceのことを知りました。その後、CloudTesting™ Serviceのホームページを見て、ADコンバータの評価に使えるIPがリリースされていることを知りました。リニアリティの評価だけでなく、SNR / THD / SFDR / SINAD / ENOBの計算が出来ることを知り、「これは使える」と思いましたね。その後、実際にADコンバータの評価を行うことになったので、CloudTesting™ Serviceを利用することにしました。 また、CloudTesting™ Serviceは新しい世代の装置なので、単に機能が充実しているだけでなく、DCの精度・確度も良いだろうと期待していました。うちで所有している古い装置と比較してみると、格段にCloudTesting™ Serviceの方が良いですね。

CloudTesting™ Serviceの使い勝手

CTS:実際にCloudTesting™ Serviceを利用されて、その使い勝手などの印象はいかがですか?

諸島社長: 全般的に満足しています。大部分を直感的に操作することができたので、測定プログラムの開発期間は、従来の半分くらいで済みました。 ただ、評価結果をレポートにまとめるための機能を、もう少し強化して欲しいですね。波形データを画像表示とCSV出力してくれるのは良いのですが、評価作業の効率をさらに高めるには、デフォルトで表示される波形画像の設定を細かく指定できるようになっていると、表示された画像をそのまま評価レポートに貼りつけられるので、とても便利です。あと、FFTの設定をもう少し柔軟に変えられると、なお良いですね。 ただ、そういった細かい注文はありますが、非常に良くまとめられていると思うし、気に入っています。 テレフォンサポートの対応も良かったですね。今回の測定にあたって、いくつか確認したいことがあり、何度かヘルプデスクにサポートを依頼したのですが、回答が非常に速くて親切で助かりました。

CloudTesting™ Serviceのコスト感

CTS:CloudTesting™ Serviceのビジネスモデルやコストについては、どのような印象をお持ちですか?

諸島社長: 使ったIPに応じて課金というモデルは、時代に即した、良い方向だと思います。 料金も、概ね妥当だと思いますね。 CloudTesting™ Serviceに切り替えた結果、ボード等の治具の製作コストも5分の1くらいに減りました。 機能的にもコスト的にも、16ビットくらいまでのADコンバータの評価ならば、CloudTesting™ Serviceに置き換えた方がいいですね。計測器やFPGAで専用システムを組むよりも汎用的で、工数的・コスト的にもメリットがあると思います。

CX1000Pを使用した測定風景
CX1000Pを使用した測定風景
写っている基板は、CTSから貸し出したデモ用の基板(スターターキット)

今後の展望

CTS:今後は、CloudTesting™ Serviceをどのように利用される予定ですか?

諸島社長: 自社で設計したアナログリッチのミックスドシグナルデバイスが近いうちに上がってきますので、次はそのデバイスの評価に利用する予定です。このデバイスにはADコンバータとDSPが搭載されているので、それらをCloudTesting™ Serviceで評価する予定です。 また、今回CloudTesting™ Serviceを利用して思ったのですが、CloudTesting™ Serviceは、評価だけでなく、ファイナルテストにも活用できると思います。組立を行う工場にCloudTesting™ Serviceを設置し、テストプログラムは我々が支給すれば、設計・評価と同じ環境でファイナルテストを行うこともできますので、そのような形での利用も検討したいと思います。


諸島社長からは、「ミックスドシグナルデバイスだけでなく、磁気センサー、加速度センサーなどのセンサーの評価にも適していると思います。CloudTesting™ Serviceのユーザは、まだまだ増えると思いますよ。」というコメントもいただきました。 本文中に記したこと以外にも、諸島社長からはたくさんのフィードバックをいただき、既にIPに反映したものもあります。CloudTesting™ Serviceは、クラウドからIPを配信し、自動アップデート(※)する機能を備えているため、常に進化しています。今後も、ユーザの皆様の声を反映して、進化し続けていきたいと思います。

※自動アップデートは、設定で無効にすることもできます。


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