導通試験

半導体デバイスのピンは、内部回路と周辺回路を電気的に接続する重要な部品です。 振動や静電気などの理由で、ピンの不良が発生します。

導通試験は、内部回路と周辺回路が正しく接続されているか確認する試験です。 コンタクト試験とも言われます。 導通試験には、オープン試験とショート試験があります。

この試験は、以下のような不良を確認できます。

  • ピンの短絡
  • ピンの絶縁
  • ボンディング不良

オープン試験

オープン試験は、入出力ピンが内部回路と接続されているか確認する試験です。 一般的に、各入出力ピンに内部回路として実装されている保護ダイオードを利用します。 保護ダイオードとは、半導体デバイスの入出力ピンへ絶対定格外の入力電圧が印加された時に、内部回路を保護するための回路です。 電源側とグラウンド側の両方についています。

オープン試験は、ピンに順方向電流を印加した時に、生じる電圧を測定します。 このとき、測定ピン以外のピンは開放状態にします。

入出力ピンが正常に導通している場合、電流が流れ、測定電圧は保護ダイオードの順方向電圧(0.7V程度)になります。 入出力ピンがオープンの場合、測定電圧は測定器のクランプ電圧になります。

保護ダイオードではなく、プルアップ抵抗やプルダウン抵抗を利用する場合、ピンに生じる電圧値は抵抗の電圧降下分です。

ショート試験

ショート試験は、ピン同士が短絡していないか確認する試験です。 ピン同士の短絡は、ボンディング不良などで発生する場合があります。

ショート試験は、ピンに順方向電流を印加した時に生じる電圧を測定します。 このとき、測定ピン以外のピンに0Vを印加します。

測定したピンが短絡している場合は、測定電圧は0Vになります。 短絡していない場合は、測定電圧は保護ダイオードの順方向電圧降下(0.7V程度)になります。

保護ダイオードではなく、プルアップ抵抗やプルダウン抵抗を利用する場合、ピンに生じる電圧値は抵抗の電圧降下分です。

更新日
2017年01月01日(日)